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ああ・・過ぎゆく日々の戯れ言よ・・・
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じゃんじゃん行きましょう!

G パラレル 永遠の恋人 陽の時3



「むぅ・・アムロッ! 少しおとなしくしていたまえっ!」
「にゃにゃにゃっ! にゃにゃにゃにゃッ!! うにゃうぅ~~ん」


二人、・・・いや、一人と一匹の格闘する声を聞きながらカミーユはココアをずずっとすすった。
学ランの上下は訪ねてきたクリーニング屋にもっていかれ今はシャツとここの主人が貸してくれたパンツ
それと厚手の紺のセーターを肩にかるく掛けている。
主人のシャアはこまめな質のようで、カミーユの泥まみれの革靴を一眺めすると丁寧に布で拭い
そして今度は泥まみれの猫(名前はアムロというらしい)を洗いにかかった。
もちろんココアをふるまってから。

「まったく、君はどうしょもない猫だ。おてんばにも程があるぞ! なぜ猫らしく家でゆっくり出来ないんだ。」
「フゥゥゥ―――ニャアアッ―――!!」
「へえ、アムロってメスなんですか?」

大きな声で訪ねてみた
暫くすると一段落付いたらしいシャアがアムロを抱えて
「 ? いいや、雄だ。」 と応えた。
きちんと後ろにまとめられていた金の髪は乱れ、首にはタオル 捲っている手足にはひっかき傷だ。
さっきの隙のない身だしなみとのギャップが少し可笑しくてカミーユがくすりと笑う
主人は肩を竦めると“すこし店番をたのめるかな?”と二階へ上がっていった。
するりと腕を逃れたアムロがプルルルルッ と身体を震わせる
馴れたようにストーブの方向へとことこと向かっていたのだがカミーユの方をチラッと眺めると、近くに置いてあったマフラーを口にくわえてまるで”いいか?”と聞いているようだ。・・・まったく、ホントにすごい猫だよ。

「いいよ。それはお前にあげる」
「にゃ」

了承の言葉を理解したかのごとく、アムロはマフラーを自分のお気に入りらしいストーブの傍へ持って行った。
くしゃくしゃのマフラーの上で毛繕いをゆっくりとはじめる。程無くして身体を丸めて寝息をたてた。
ストーブの近くには彼のためにあつらえたのか深紅のビロードが素敵なアンティークの丸椅子が用意されてるというのに、どうやら彼には俺のマフラーの方がお気に召したらしい。さぞ主人はがっかりする事だろう

(それにしても・・・ 本当に不思議な店構えだな )

カミーユは家の中をのんびりと眺めてみた。それしかする事もないし。
部屋の中、ここからかいま見える奥の部屋も、趣向を凝らした品々がそこにあるのが当然と言うかのように配置されている。 アラビア風のライト ニスが美しいサイドテーブル 魅惑的なブロンズの少女・・・ 様々な国の、様々な品々が、品良く部屋を彩っている。 何気ない小物から大きな水瓶まで、ちょっと覗き込めば物語を語り出しそうなぐらい精密な品々だろう。 だが、それらは覗き込まなければひっそりと息をする、良くできた生き物達なのだ。

(まるで魔法使いの家に来ているみたいだ)
カミーユは ほう と息を吐いた。

カミーユがココアを飲んでいる場所も、とても不思議だ。
店の中に大きくスペースを取ってカウンターと小さなテーブルを二つもうけている。
これらは店と分かつように青いシースルーのカーテンで天上から床下までたっぷりとあまるようにつるされ
裾には不思議な形をした様々な鈴が点々と縁取られている。
カウンターの正面は珍しそうな洋酒がずらりとならんでいるけれどきらびやかというよりは落ち着いた面持ちで
不思議な色合いに染められたドライフラワーや手作りらしい果実酒、装飾品の数々が手の込んだアットホームを演出している。きっと奥は、ちょっとした厨房だろう。


「寒くはないかね?」

そこで、やっと主人が2階から降りてきて声を掛けた。
首をふるカミーユに満足そうな表情をしたが、ストーブのアムロを見ると慌てた表情になった。

「 ! ・・・あれは、もしかして君のマフラーではないのかい?」
「あ、はい。ベットに持ってちゃったみたいです。」
「・・・アムロッ!」
「あ、いいんです!あげたんです、それ。もうダメになちゃったのを。・・・アムロ、ちゃんと断ったんです。」
「・・・・・・・・・・・ほう・・・?」
「アムロってすごいですね。僕の言っている事ちゃんと分かってるみたいだ。」
「・・・・・・・・・・・」
「さっきもすごかったんです。巣から落ちた雛を助けたりして・・・」
「・・・・待ちたまえ、今ココアのお代わりを持ってこよう。いるだろう?」

にこやかな笑みでそう問われカミーユは照れながらはい、と頷いた。
主人は嬉しそうに眠ったアムロを眺めながら
「私のアムロはすごいだろう?」
と呟いた。
奥にココアを取りに行き、戻ってくると手にはカップが2つ。
自分もゆっくりしながら、何があったのか聞きたいようだ。
カミーユは熱いココアに舌をやけどしそうになりながら、事の顛末を細かく主人に話したのだった。


***


「・・・・そうだったのか」
「はい。」


話を進めるとシャアの顔が段々と曇っていったので、カミーユはどぎまぎした。
何かを思い詰めるように顔をゆがめ、話が終わり暫くしてからあきらめたようにはぁ、と息を吐いた。

「彼は・・・アムロは、何度言っても分かってくれないんだ。」
「・・・・・・・?・・・」
「危ないから家から出てはダメだと。何かあってからでは遅いんだと、いつもくり返しているというのに」
「・・・・はあ。」
「カミーユ君、ありがとう。君がいなければアムロはどうなっていたか分からない。」

そう言うと主人はカミーユの手を取りぶんぶんと振った。
なるほど。先程顔をしかめたのはアムロを心配しての事だったんだろう。
手を握る彼の表情は真剣そのもので、彼には悪いのだがカミーユは内心吹き出していた。
(いるんだなぁ、こういう人) 親バカ・・・いや、猫馬鹿か。
そんなカミーユの内心も知らずにシャアは、「礼を言っても言い足りないぐらいだ。」と熱心に語った。

「いや、きっとアムロの事だから自力で脱出してましたよ。」
「だって、君の身長よりも深かっただろう?マフラーを手綱代わりに使ったのかい?」
「・・・え?ええ。」
・・・中々鋭い。彼はマフラーが歪んでいるのをちょっと見ただけで気づき、その理由も当てを付けてたのだ。
「それではやはりアムロでは無理だ。君もヘタをしたらミイラ取りがミイラという事になっていたかも知れない。」
「・・・はい。」
「だが、ありがとう。アムロを救ってくれて。君がいなければ今頃アムロは寒空の下震えていた事だろう」

その時アムロがのそりと起き出してシャアの膝でもう一度丸くなった。
シャアが怒ったような困ったような顔でアムロを眺め「鳥につつかれたらしいな、君。」と呟いた。
アムロは知らんぷりを決め込んでいる。
「それからマヌケにも井戸に落ちたらしいじゃないか、だからあれ程・・・・」と小言が続いた。
アムロはさすがにバツが悪いのかシャアを見ると困ったような仕草で顔を洗った。
「最近は変質者も多いんだ。君もふらふらしないで・・・・」シャアの小言はまだまだ続く。
その、微笑ましい光景にカミーユは知らず笑みがこぼれた。
シャアがそれに気付くと、肩を竦めて”私は間違っているかね?”と聞いてきた。

「いや、そうじゃないんです。なんだか、うるさい親父を持った女の子の気持ちが分かるような気がして・・」
「私はうるさい親父かね?」
「あはは、どうかな。でも、さっきも思ったんです。だからアムロはメスなのかなぁ、って」
「・・・・・愛する者への気持ちは、いつだって同じ様なものさ。」

その言葉に瞬間カミーユは痛みが走った。
自分の家族はどうなのだろう・・・?皆が皆、知らぬふりを決め込んでいる家族。
どうして、こうなっちゃったのだろう・・・?
知らず俯いていた自分に、いつの間にかアムロがすり寄っていた。
ちょっと慰められたような気がして、アムロの喉を優しく撫でた。ごろごろと喉が鳴る。
だが、主人が驚いた顔でさっとアムロを抱き寄せた。
何気ないふりで話題を変える。・・・・さっきのはもしかしてヤキモチか・・・?

「その井戸は坂の下の神社だろう?後で私が電話を入れておこう。また事故が起こっては大変だ。」
「はい。」
「カミーユ君、お礼なのだが私は君をあまり知らない。君さえ良ければまたここに遊びに来ないかい?」
「・・・・・? え?」
「もちろん、学校が終わった後で。君は今日学校をさぼって神社でヒマをつぶしてたんだろう?」
「・・・・・・・・・」
「神社よりは過ごしやすいと思うのだが。何分ここはヒマでね。お茶も入れるし茶菓子も出そう。
私は学問は得意だ。教えることも出来ると思うし、話を聞くのは嫌いじゃない。・・・どうかな?」

その申し出はすごく嬉しいものだった。
行き場のないせっぱ詰まった自分にひとつ余裕が生まれるのだ。
だが、それを素直に出せない気持ちがちょっとだけひねくれた返答を返した。

「アムロを触らせてくれるんだったら・・・」

その言葉に、この店の主人は面白いほど動揺した。
驚いた顔をしたかと思うと、うろうろと考え込みながら店の中を歩き回った。
やはりさっきのカミーユの直感は正しかったのだ。
そんな様子をアムロがじっと眺めていた。
その間にクリーニングが届いたのでカミーユは奥の部屋で袖を通す。

「カミーユ君」

学ランを着ると金髪の店主は改まった様子でカミーユを見た。・・・目がすごく真剣だ。

「まず、約束して欲しい。」
「はい」

落ち着かないのか腕の中のアムロを忙しなく撫で回している。
ちょっと異常なくらいの執着心にカミーユは内心苦笑した。

「・・・まず、アムロの嫌がるような触り方はダメだ。無理に触ってはいけない。」
「はい。アムロが近寄ってきたときだけにします。」
「・・・・よろしい。だがね、首はダメだ。」
「・・・・は?」
「アムロの喉はダメだ。先程の様なことはいただけない。約束するかい?」

そう言ってシャアがアムロに赤いビロードの首輪をはめた。
カミーユはそれがなんだか貞操帯みたいで可笑しくなったが相手は真剣だ。
はい、と首を縦に振る。それにシャアはほっとため息をついた。

「後は、出来るだけ早めに来ることだけだ。私は日が落ちる前に店を閉じて家に帰るからね」
「あれ?ここが家じゃないんですか?」
「ああ。私は住んでいないのだよ」

妙な違和感があったがあまり立入らない事にした。
だが、アムロのことはとっても不思議だ。なんでそこまで神経質になるのだろう?
シャアは疑問に気付いたようで、カミーユが問う前にため息を大きく吐いてから話し出した。

「あまりね、アムロに触れて欲しくないのだよ。」
「・・・・そういうものですか・・・?」
「・・・・・・君は恋人、・・・君、恋人は?」
「・・・・・いません。」
「そうか。では、想像して欲しい。・・・君は、恋人を他人に触られたいかね?」
「・・・・・・え?」
「私は好ましくない。・・・はっきり言うと嫌だ。アムロに触れるのは私だけで十分だと思っている。」

よく分からなくて混乱した。
もしかして自分はものすごい変態に遭遇しているのだろうか?
人は見かけにはよらないとはよく言ったモノだ。話は気にもせずに続いていく。

「だがね、それでは彼に自由がないと言う。だから不満ではあるが外にも出しているし・・」
「・・・あの・・」
「不埒な雌猫が彼に言い寄っているのも多少小言は言うが・・・禁止はしていない」
「・・・・・・・・・・・」

もう、とてもばかばかしかったので流すことに決めた。
この人は猫になるとダメなんだ。
アムロを見れば彼もうんざりしたように腕を舐めていた。
”親の苦労子知らず”そんな言葉が思い浮かんでちょっと笑えた。
何処も一緒だ。みんな何かしら悩み、頭を抱えているのかも知れない。

なんだか気持ちが軽くなったカミーユはおどけた調子でシャアに聞いた。
ちょっと変だけどここは居心地良さそうだし、アムロも好きだ。
シャアさんもこの辺を除けばきっといい人に違いない。

「じゃあ、ずばりシャアさんにとってアムロはいったいなんなんですか?」

それに照れるかと思いきや、穏やかに笑んでシャアは応えた。


「私の、永遠の恋人だ。」


そう言って優しくアムロの喉を撫でる。
アムロが気持ちよさそうに喉を鳴らし”にゃあん”と応えるように鳴いた。
俺は呆れながらほおづえをついて1人と一匹を眺める。



「へぇ・・・? アムロは雄猫なのに?」
「そう。雄猫なのにさ。」



そう言って主人は幸せそうに黒猫の喉をひと撫でした。








ジブリっぽい雰囲気出せてたかしら??すんげー長くなった。続き書くとまた長くなりそうだ。
とにかく、日記にかくようなもんじゃないっすね。感想、寄せていただけたら嬉しいでーす


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やべぇ、HP更新とか考えてたのに・・・何してんだ?自分??

G パラレル 永遠の恋人 陽の時2




猫は程なくすると大きな丘の上に立つ・・・・・店・・・?の中に入っていった。
入り口に看板があった。”OPEN”と書いてある。
多分店だが、小じゃれた別荘のようでもある、贅沢に作られた木の建物だ。
入り口のテラスに猫の足跡がてんてんと着いていくのがなんだか可笑しかった。
中を覗けば、高級そうなアンティークがずらり。
だけど不思議に落ち着いた空間が、主人の品の良さを物語っているようだ。

「アムロ・・・?帰ったのかね・・・?」

奥から顔を出した人影にカミーユはドキリとして身をすくませた。
何とそこから顔を出したのは、金髪のまぶしい・・・長身の・・・すごく整った顔の・・・

「・・・・・? いらっしゃい・・・?」

自分の泥まみれの格好に気づいた、その、いわゆる・・・外人の、綺麗な男は、不思議な顔をして首をひねった。
目が、サファイアのように青くてとても綺麗だ。
何も言えなくなった自分に変わって、猫がにゃおんとひと鳴きする。
それに気づくと金髪の彼は慌てたような声を出した。

「アムロ・・・!どうしたんだね、その格好は・・・!?」

抱き上げた黒猫を一眺めすると、彼はしばらく考えてからこほんとひとつ咳をした。

「君の名前を聞いてもいいかな?」

カミーユは目をぱちくりさせると、なかば条件反射で

「カミーユ・ビダンです」

と小さく言った。
あまりこの名前は好きじゃあない。

「シャア・アズナブルだ。・・・・・多分・・・いや。確実にお礼だろうな。
よろしければ服のクリーニングと暖かいココアでもいかがだろうか?」

カミーユはとまどったが、好意にすなおに甘えようとそう思った。

「はい、・・あの、・・・その・・・」

彼はにこりと満面の笑みを浮かべると

「それと詳しい話も聞かせていただけるととても嬉しい。なにせ彼が連れてきた人間は君が初めてだ。」

彼って・・・?

そう思えば抱き上げられていた黒猫が得意そうに喉をごろごろと鳴らした。






続くよ、続く・・・話は何処までも~~~
ちなみにイメージはジブリの”耳をすませば”です!
ゆったりした気持ちでいっちょ書いちゃいましょう!
G パラレル 永遠の恋人 陽の時





「あ~あ、ばかだな オマエ」

カミーユはため息をつきながら古井戸の底を覗き込んだ。
幸い、井戸はとっくに枯れていたようで下は土と木の葉
自分の身長程の深さの先には目をきらりと光らせた黒猫がにゃおんと鳴いた。

「ちょっとまってろよ、今たすけてやるからさ」

猫は了解したとでも言うようににゃおんと鳴くとカミーユをじっと見る
カミーユは”やけに物わかりがいいじゃないか”なんて呟いてから井戸に固定してある木の板をどけた
もちろん、猫を助ける為に。

***

カミーユは最近の両親のぎくしゃくした空気に気が滅入っていた。
学校もあまり好きじゃなかった。
物事を通り一辺倒に押し通す教師達には嫌気がしていたし、
それに反目し、無視を通す姿勢に転換したカミーユに揶揄を飛ばしたクラスメイト達も大嫌いだった。
カラテは嫌いではないが、今は打ち込む気にもなれない。
だからカミーユは朝練もさぼってあまり人のこなさそうな神社の片隅でひまをつぶしていた。

そして、そこで面白いものを目にした。

最初黒猫はカミーユが座ろうとしたベンチで気持ちよさそうに毛繕いをしていたが、
カミーユが近寄るとうっとしそうに遠くへ移動した。
そして今度は神社の柵の上で毛繕いを丹念に始めたのだが、近くの鳥の巣から雛がぽとりと落ちる。
もちろん猫は、雛を捕りに柵から降りた。
カミーユは”うっ!”と思ったが、猫が鳥の雛を食べてしまうのは自然の摂理だし、
ここから止めようとしても間に合いはしない。
黙ってそれを見ていると猫は雛をくわえて木に登り・・・・
なんと、雛を器用に巣に戻したのだ!
(う、うそだろ?)
だが、不幸にも親鳥がその場に帰ってきて猫は敵と勘違いされ親鳥2匹の猛攻撃に
あげく木からつつき落とされ、しまいにはその下にあった古井戸の下に落ちる。
井戸は木の板で蓋をされていたのだが、たまたま蓋は腐ってしまっていて、猫の重みで割れてしまったのだ。


(さて、どうすればいいか・・・)

腐った木の板をあらかた外すと、カミーユは首に巻いていたマフラーを取った。
そして端を井戸から出ていた鉄の棒に結び付けると身体をゆっくりと下に降ろしていく。
・・・大丈夫。
足の先は多少湿っているが地面がちゃんとあった。

「おい、おまえ。災難だったな」

またもやにゃおんとひと泣きする不思議な猫を、カミーユはじっと眺めてみた。
黒いつやつやした毛の小さな子猫。
赤いビロードの首輪が良く似合っている。飼い猫なのだろう。

「おい、一緒に出よう」

触れればおとなしく抱かせてくれて、難儀しながらも1人と一匹はそこから這い出すことが出来た。
ぐっちょりと泥で汚れた制服をはたいて何とかしようとするカミーユに、猫はもう一度鳴いた。
お礼かなと思って、
「いいさ」
と返すが少し進んではひと鳴きする。
まるで”来い”と言っているかのようだ。

「・・・・・・どうしようか・・・・」

だが言葉とは裏腹に、カミーユは変に歪んだマフラーを取ると猫の後を着いて歩いた。
どうせヒマなのだ。
こんな馬鹿げたことでも、じっとして悩むよりはずっといいはず。
猫は時たま振り返りながら、閑静な住宅街をとことこと歩いた。




な、長くなったぁーーーーー!!
とりあえずUPして続き書いちゃおっ!
あと、断っておきますがシャアムです。
あう~、何か色々手を付けてはまき散らしていますが・・・頭に浮かんじゃったので書いちゃいます。
詳細設定いっさい無しで!パラレルネオジオン↓


午後の執務室
重要な用件を全て終えたシャアは滑るような早さで市民から送られた手紙を読んでいた。
滞りなく次から次へと進んでいたが有る一枚を手に取るとピタリとスピードが止まる
「・・・・・むう」
そう呟いた彼は、秘書のナナイへ連絡し執務室を後にする
向かったのは私室の一つであるパウダールームだった。


***


「で? そのイカれた格好は何なんです?大尉。」

総帥や大佐と呼ばれる彼を、唯一クワトロ大尉と呼ぶ青年
カミーユはシャアを見上げると嫌そうに眉を潜めてそう言った。
隣に立つ赤毛の大尉もうさんくさそうに彼を見た。

「おとり捜査だよ。困っている市民に率先して対処する、私は指導者の鏡だな。」
「「おとり捜査・・・」」
「うむ。今日ここに痴漢が出て困っているという手紙が届いた」

シャアが言うココとはコロニースイートウォーターのリニアトレインの事である。
今3人が立っているのはトレインのステーションど真ん中で、午後にいきなり呼び出されたカミーユとアムロはそこでとんでもない光景をまのあたりにした所だ。
その・・・とんでもない光景というヤツは・・・そう・・アレだ。

「シャア、気持ちは分かった。だけど人には出来ることと出来ないことがあるものなんだ。」

アムロはそう言って痛むこめかみを押さえる。
先程からララァ(幽霊?)がうるさくてかなわないのと、(嬉しいのか嬉しく無いのかは不明)
シャアのがたいの良い女装が、昔の淡い恋心の人物と微妙に重なって・・・イタかった・・。

シャアは何処から調達したのかセイラさん(ハマーン??)の様なカツラ(金髪)を被り、
真っ赤なスリットの入ったカクテルドレス、これまた真っ赤なハイヒール(なのでめちゃ長身!)
そして場違いな事この上ない、つばの大きい派手な帽子。・・・旧世紀の貴婦人スタイル!

これで何をしようと言うのだか・・・。
目立つだろうが、はっきり言って痴漢はビビって寄りつきもしないだろう。
そう思ってじっと見ていたら、何を勘違いしたのかシャアはおもむろに胸を揺らして見せた。

(・・・・・・コイツッ!)

・・・なんとシャアの胸には特殊な素材で創られているだろう、人工胸がたわわに揺れていた。
艶、張り、多分質感も申し分なく本物に近いだろう・・・。よく見ればすね毛までキチンと処理してる。
芸の細かさにあきれかえっていると、シャアが小さな声で ”後でこのまま遊んでみるかい?”と囁いた。
イヤらしい声だ。
俺はぶん殴りたい気持ちを必死で我慢した。

カミーユもその意見に激しく頷いてアムロよりもずっと辛辣な意見を述べたがまったく聞く耳持たずのシャアは

「やってみるさ」

と息巻いて二人を連れトレインへと乗り込んだ。


***


”いいかね君たち。賊が接触したのを確認したらその超高性能マイクロモニターで証拠を取ってくれたまえよ”

そう言ってシャアは2人と距離を取った。
束の間カミーユとアムロは離れたことでほっと息をついたが、めちゃくちゃに混み出す車内に息を飲む。
そう、時刻は丁度帰宅ラッシュを向かえていてアムロもカミーユももちろんシャアもぎゅうぎゅうと押された。
・・・だが、2人が息を飲んだのはそんな事ではない。
進んでいく列車内が次第にざわめきで満ちていくのが分かった。
そう、シャアの存在に乗客が気付きだしたのだ!
ここにいるのはスイートウォーターの市民だ。
総帥の顔を、いくら変装(女装)したからといって見間違える筈はない。
そう思って今更ながらに慌てたりうろたえたりする2人をよそにざわつきはいっそう高まった。

・・・・その時・・・・!

シャアの前に人だかりが道を開いた
その先には小さな老婆が赤い花を手に、シャアに挨拶をする。

((わあぁ・・・!もうダメだ!!))


曲がりなりにも付き合いの長い2人は、シャアのこれからの政治生命を思い瞬間胸を痛めた。
が、次第に響き渡る喝采とメロディに、あんぐりと口を開けたままになる

星の光に 思いをかけて
熱い銀河を 胸に抱けば
夢はいつしか この手に届く

シャアズ ビリービング アワズプレイ!
シャアズ ビリービング アワズプレイ!


湧き上がる熱狂に冷めていく2人
心の中には”ここには俺たちだけ”という共通のブリザードが吹き荒れていた。
ぼんやりとした2人の視線の先には、和やかに振る舞うシャアの姿
おもむろにカミーユが声を出した。

「アムロさん、俺たちいったい何のためにここにいるんでしたっけ・・・」
「言うなよ、カミーユ。むなしくなるだけだろ・・・?」
「それにしても・・・あのヒト、いい面の皮してますよね・・・」
「ああ、思い出したよカミーユ。政治家に標準装備されてなきゃならないもの」
「何です?」
「厚顔無恥。連邦の政治家達もみんなそうだったなぁ・・」
「へぇ・・・そうなんですか。」


何故だか悲しみでいっぱいになったカミーユとアムロは、
目に涙を浮かべながらその歌を口ずさんで帰路へと向かう。

シャアズ ビリービング アワズプレイ・・・

リニアトレインが総帥官邸近くの駅で止まると2人は無言で車に乗った。



初日、痴漢捕獲作戦 失敗に終わる。
自分を棚上げして何を言うのかカミーユよ!!(だけどそんな彼が好き)
やっとこさ閃光のハサウェイ読み終わってただいまΖ小説に取りかかり中
自分Ζもファーストもガイアギアも読みかけで後はパラ見という体たらくぶり
秋の夜長ちゅーことで沢山読めればいいのだけれど・・・。
ブログのテンプレートを気分転換にと変えてみた。さて、ぼちぼち書き始めるとしますか。

↓ガ*ダム 散文 【カフェ・ド・キャッツ】

超高層オフィスビルの最上階
何処までも見渡せそうなその景色を一にらみすると シャアはため息をひとつ付いて書類に目を落とした。
外は雨。目にすれば嫌になるような景色を、灰色の空気が取り巻いて一層シャアの気分を憂鬱にさせる
(地球が保たないと分かっているだろうに・・・連邦の官僚共は一体何を考えているのだ・・・)
自分たちの私腹を肥やすためさ と自分に分かり切った答えを返して また一枚書類に目を通す。
そんな作業も終わりに近づいたころ秘書のナナイがノックと共に訪れた

「社長、お疲れでしょう。お茶をお入れしましょうか?」
「ん・・・いや、いい。書類はこれで全部だろう?これで最後だ。こんな天気だし、君も早く帰りたまえ」
「はい、そうさせていただきますね。・・・あの・・・よろしかったら、これ・・・」
「??? クッキー? 」
「ええ ここのおいしいんですよ? この長雨で下のお店も空いてるようです。お茶請けにちょうど良いかと」
「・・・・・そうか、いただこう。」

ナナイが退室したのを見届けると シャアは仕事の終わりを告げ社長室にロックをかける。
私室を開けるコードを打ち込みながら下の店へ電話を掛ければ残念な事にカミーユが出た

「私はアムロに用がある。・・・店は空いているのだろう!?」
「そんなことありませんから。アムロさんも俺も忙しいんです。あの用以外でかけてこないで下さい」
「嘘をつくなカミーユ!店は空いてると聞いたぞ?いいから早くアムロを出してくれないか!」
「いやです!!ウチはコーヒーがメインの喫茶ですよ!?なんで、わざわざ 紅茶の出前を アムロさんが そこまで運ばなきゃならないんです!?お断りします!!」
「カミーユ、私はカフェの全面出資者だぞ!?それくらいの色気があってもいいはずだ!」
「・・・色気!!?色気って何だよっ!ついに本音が出たな!?アンタは出前にかこつけてアムロさんを・・・」
「言葉のあやというのが何故わからん!それにアムロと私の仲はお互いの同意が・・」
「あーーーーうるさいっ!!!俺は認めてません!アンタみたいな汚れた大人、修正ー・・・」
その時カミーユの小うるさい声が消え 代わりに待ち望んでいた人物が
「悪い、・・・シャアだろ?いつものヤツでいいんだよな すぐ持ってくから」
と言って電話を切った。

気分を良くして私室に入り 仕事は終わりとカッチリとしたジャケットを放る
私室にもロックをかけてベッドに香水を一吹き わりと神経質な彼の気を紛らわせるためにニュースをつける
準備は万端
まもなくシャアの今日一日のご褒美 アムロが秘密の通路を通ってやって来る。
カフェから直通の秘密のエレベーター
幾重にも巡らせているセキュリティのセンサーを抜けて。
きっと彼が今日の憂鬱をバラ色に変えてくれる
そう思うと薄闇になった景色でさえも、彼を演出するもののようにさえ感じてしまうから不思議だ。

「おまたせ、シャア」

どことなく甘い香りを漂わせたアムロがそんな事を言う
(まさにご褒美というやつだな)と心で喝采を聞きながら紅茶のセットを受け取りテーブルに並べる
合間にナナイからいただいたクッキーをアムロの口へ咥えさせると
「あ、ここのクッキー好きなんだ」と返ってきた
何気なく紙袋の店名をチェックして店を確認。ナナイ、よくやった!
上目遣いで紅茶をコクコクと飲むアムロ
堪らなくなって軽くボディタッチをしながら世間話へと興じた

「仕事は順調かい?今日は店が空いていると聞いたがカミーユがぎゃんぎゃん吠えているからなのでは?」
「そんな事は無いよ カミーユはウチの看板だし。それにカミーユが目くじら立てるのは貴方ぐらいだよ?」
「随分と嫌われたものだな、私は」
「そうじゃないよ、シャア。カミーユは貴方の事が好きだから・・・あっ シャア、ちゃんと聞けよ・・・」

悪戯にアムロの巻き毛に指を遊ばせると、彼はくすぐったそうに身をよじった。
ちゃんと聞いていると彼の耳元に囁き ささやかな遊戯を続ける

「・・・だからっ、カミーユは貴方の事を本当の兄のように慕ってる。」
「ほう?だがカミーユは私を見れば小うるさい事ばかりだぞ?」
「―――っん! はぁ、こんな事ばかりしてるからだろ? 自分の模範になって欲しいってのは・・」

髪の生え際にキスを落とすとアムロの言葉が止まってしまった。
面白いぐらい感じやすくなっている事に、そういえば彼の”セイリ”はもうすぐだったなと思い出す
それと同時に先月の激しい行為が鮮やかに甦ってしまい悪戯が本気に切り替わる
耳を甘噛みしながら続きを促す この方がアムロが行為に溺れやすいから

「だからっそれって・・期待じゃないかっ家族に対する類のっ・・・ふぅっ・・・やっダメ、シャアッ」
「何故?ここをこんなにしてるのに・・・?」
「んもっ・・・あ、う・・・ダメだ。まだ仕事の途中・・・」
「カミーユがいる。彼に任せればいい・・・」
「ダメだってば!!またカミーユに貴方を幻滅させちゃうだろっ!?・・・あっ」
「私は悪い大人かな?」
「だからだめってばっ!!」
「君も諦めが悪い。・・・・あの時の君はあんなに素直なのに」
「・・・い、言うなよ・・・・それ・・・」

アムロの瞳が潤んでシャアが本格的に身を乗り出そうとしたとき
ぴよんぴよんぴよん と 無粋な音がシャアを邪魔した。
アムロの携帯だ。

「あ、カミーユだ・・・」

その言葉を無視して携帯を取り上げてその辺になげやり アムロと唇を繋げる
せっかくの今日のご褒美なのだ。邪魔されてなるものかっ・・・!

だが・・・・

「しゃあ・・・」
「いいから・・・」
「違う・・・シャア」

アムロに顔を押さえられてTVの画面を見させられる
TVのニュースから聞き流せない事件が耳に入った。
ああ・・・でも、もうちょっとだけ・・・もうちょっと・・・

だが、だめ押しとばかりに緊急用の回線ブザーが鳴って、情報が次々と寄せられ始めた。

「仕事だよ、シャア」

ほら、アンタのイカレた衣装、コレだろ?
と完全に仕事モードに切り替わったアムロを後ろ髪引かれる思いで見ていると
「この、クソ変態ヤローーーー!!!!」
と無理矢理セキュリティをこじ開けたカミーユに一発修正(という名の暴力)をくらった。


・・・・まったくもって 今日は厄日だ。




やばいよ~ながいよ~サクサク書けんよ~ブランクっ!・・・これがっ!?
(ブランクゆうほど書いてないでしょ!?)
とりあえず【カフェ・ド・キャッツ】はこれでおしまい。あとはコレの本編を書こうと思いま~す!
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プロフィール
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mymy
HP:
性別:
女性
自己紹介:
雄と言えなくもないメス科。
なんかそのへんふらふらしてたらあっというまに年をとってた、熟れすぎの果実。(果実は言い過ぎだろーが!!)
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