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ああ・・過ぎゆく日々の戯れ言よ・・・
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マジ試験に打ち込みます。
と、言うわけで月曜過ぎるまでネット落ち宣言!

・・・・でもちょっとだけ・・・。


Magic earth ~ シャアとアムロと時々カミーユ、そんでもってジュドー ~




ジュドーは『盗賊の鼻』を使った。

くんか くんか くんか・・・

お宝の匂いがわんさかした。




鼻をひくひくさせてニヤつくジュドーに、アムロは“盗賊の鼻”ってなんだよ??と首を傾けた。



ここは腐海の森、その一番奥に鎮座する竜の洞窟。
ここへ辿り着くには長い長いダンジョンをくぐり抜け
幾重のトラップや謎を解き、鬼強いモンスターをくぐり抜けなければ成らない。
もちろんまだまだ冒険初心者、弟子入り希望のジュドーにここは抜けられる筈もないので
アムロは洞窟最上階の住処“竜王の間”にジュドーをくわえて運び込むと人の姿に戻り
ジュドーにぽんっと試験管の様な物を放った。

『何コレ?アムロさん』

コルクで蓋がしてある試験管の中にはぼんやりと白く光る小さな綿毛のような物がある。
ぼんやり眺めているとわりかし短気なお師匠様はジュドーのマスクを取って口にそれを突っ込んだ。

「ゲホホッ・・・!ちょっと、なにするんだよっ!」
「耐性菌。コレ飲むと腐海も毒じゃ無い。まぁ、ここの空気はいたって無害だけどね」

その言葉にはっとしてマスク無しでも平気なことを確認しホッと息を吐く
それからジュドーは辺りをゆっくりと眺めて見た。
洞窟は薄暗いけど何故だかぼんやりと青い光で滲んでいる。
よく見ると洞窟の石が碧い蛍のようにゆっくり点滅していて、とても美しかった。
アムロさんが去っていた方に足を向けると、広い洞窟の至る所には絨毯が敷いてあり
その場所にはちゃんとたいまつがあって十分な明かりを備えていた。
だが・・・ちょっと、いやいや。すんごく気になる事が一つだけ。

「アムロさ~ん!?この・・・ゴミの山?何なんですか~~??」

そう!奥へ奥へと進むにつれ、辺り一面にゴミやがらくたが散乱している。
それはだいたい膝の高さの山から、深いところで腰の高さの山もある。
そこに作られた?獣道を彼はいつものようにひょいひょい進みながら

「何でもないから気にしないでくれーーー」

とジュドーに向かって叫んだ。
ジュドーもその『獣道』を遭難してたまるかー!とアムロを追いかける。
途中で腐った薬草に滑ったり、彷徨う鎧の甲冑にけつまずいたり、
ホイミスライムの死骸に吐き気を催したりしながらアムロの後を必死に追った。
アムロは何でもないようにとことこ進むとゆっくりと伸びをした。
そこでジュドーはやっとの事でアムロに追いついたのだが、
その時アムロが歩きながらゆっくりと服を脱ぎだしたのでジュドーはギョッとして立ち止まる。

まず、羽織っていたフライトジャケット
それから薄い黄色のタートルネック

(まさかまさか・・・)

ベルトのバックルに手を掛けズボンをその辺に放り
靴下も無造作に放り投げた。
そして彼が入ろうとしている部屋は多分寝室・・・・!
錯乱したゴミの中にポツンとベットが置いてある。

(あああ!リイナゴメンよっ!!兄ちゃんは人の道を大きく外れちゃうのかも!?)

色気のない縞パンとタンクトップに何故かドキドキ動悸を速めながら覚悟を決めていると
ぱっこ~~~ん!とジュドーの頭にひのきのぼうがクリティカルヒット!
・・・いやいや、会心の一撃で頭を打った。
いって~と頭を押さえて投手を見れば、顔が真っ赤だ。なんでだろう?

「いってぇぇ~~!急に何すんだよ!」
「今何考えた! まったく何考えてるんだよ。子供の癖に!」
「子供は関係・・あるのかな?・・・だって、よく言うじゃない?お稚児さん趣味ってやつ」
「・・無い!断じてその気無いから! まったく、シャアじゃあるまいし」
「は?シャアって?・・・そう言えばカミーユさんの時にも・・」
「ノーコメント。それより俺眠いから・・あとはさ、てきとーにして・・」
「ええ?て、適当って・・・こんなトコで!?ちょ、ちょっとまった!」
「・・・・・・・・・・すーーー・・・」
「は?え??あ、アムロさん?アムロさ~ん!」
「・・・・・・・・・・何?」

揺り動かすジュドーにアムロはじろりと不機嫌な視線をよこした。
だが、それに動じた様子も見せないでジュドーはアムロにピーピーと泣きついた。

「俺、死ぬほどお腹空きましたー!何か食わせて下さいよ~~~!」

その言葉にアムロはのろのろと起き上がると着いてこいとジュドーに言った。


****


「ベーコンエッグで構わない?」

低血圧なのかぐったりした様子のアムロはジュドーに聞いた。
嫌と言われても今はコレしか出来ないのだが。
ジュドーは素直にうんうんと頷いた。

部屋はやはり散らかし放題。
アムロはテーブルの上をざざっと腕で払い落とすと(様々な物がゴミために同化した)
備え付けられた竈にメラで火を起こしゴミためからフライパンを出した。

(ぎゃ~~~!アムロさんっ!それ洗わないの!?)

それを火に掛け紙に包まれたベーコンをアサシンダガー(運が悪けりゃ即死)でぶ厚く切りフライパンで焼く
いい匂いにホッとしているところで爆弾投下!
無造作に落とされた卵の黄身は、・・・・青かった!!

(ぐえ~~~~!ちょっとそれって何の黄身!?って“黄色”くねーー!)

アムロさんはそれを当たり前のように見ながら、そして当たり前のように卵の殻をその辺に捨てた。
その様子にジュドーはそっと涙をこぼす。
「はい、出来たよ!」自信満々に渡された品を口にしながら
ジュドーは“家事は俺やんないと死ぬ!”と決意を新たに固めた。
味は・・・ここでは語るまい・・・。
にこにこ自分を見るアムロさんにジュドーは心で泣きながら口を動かした。



そして、アムロが去ったのを見届けたジュドー
さっそくの“家捜し”を始める・・・・のだが。
三っつ目のタンスを開けはなったところでアムロに

「盗賊の鼻?知らないな~、時代が変わったって奴だよな~」

などと声を掛けられてすくみ上がる。

にっこり笑いながら“家捜し、定番だもんね~”と問われれば
“そ、そうですね~”としか答えようがない。

ちょうど今開けたタンスにはアムロ師ご愛用の縞パンとタンクトップが山のように押し込まれている
そして、そこから不思議な色をしたキノコがわんさか生えていた

「ジュドーさ、・・・俺の弟子になりたいんだっけ?」

とっさにゴミの山に正座して“はいそうです”と三つ指をついた
くすねた小さなメダルを裾に隠そうとしたがアムロに取り上げられた。

「はい。ジュドー、おあずけ」
「ええ~~それぐらい いいじゃないかよ~~!ケチ!」
「ジュドー?敬語は??・・・そのキノコおいしそうだと思わない?」

(・・・・・ま、まさかそれを食べさせる気!?イヤ~~~~!)
パンツから生えたキノコを口にするなんてっ!!
ジュドーは恐ろしさに平に平に謝った!

「お師匠様神様賢者さま!どうぞ俺を許して弟子にして下さいませ!!」

アムロは小さなメダルをその辺にはじくとはあ・・・とため息をついてジュドーに言った

「分かってると思うけどさ・・・」
「はい」
「俺、片付け出来ないから。弟子になりたいなら・・・家事」
「はい」
「ん。掃除、洗濯、料理をさ・・・頼むよ。」
「はい。分かっております!」
「うん。それ終わったらさ・・・修行してもいいから」
「ほ、ホント!?」
「敬語は・・・・?」
「ホントですか!?アムロさん!?」
「うん、よろしい。 本当だよ、ジュドー」
「や、やったーーーーー!」
「・・・ただし、ここが全部綺麗になったらね。」
「えへへ!すぐかたづけちゃいますよ、こんなの!」


だが、腐海の奥も、また腐海だと言うことをジュドーは身をもって知った。
何度も逃げ出すのを思いとどまり、片付け終わるのはその一ヶ月後の事。

その後のジュドーはまるで口うるさいお母さんのようで
「アムロさんッ!そんな格好(縞パンタンクトップのみ)でうろつかないで下さい!」とか
「ゴミはゴミ箱に捨てる!あ~~もう、俺がいないと何も出来ないんだからッ!」
などとシャアがうらやむ世話の焼きようだった。

アムロは“まるでフラウだ”とこっそり影でぼやいたという





はい。ドラクエ&ナウシカMIX アムロとジュドーの日常編。
生活破綻者アムロの生活ぶりを書いてみたかったのですが
・・・訳分かんないですね。
盗賊の鼻は多分FCに無くて、SFC版だかGB版だかに出てきた物じゃないかと。
それらに登場する?“エッチな本”や“淑女への道”が激しく気になる今日この頃です。
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ふふふっ 現実逃避中です。
ゲームのやり過ぎか右手首が痛いなぁ・・・



Magic earth ~アムロとシャアと時々カミーユ、そんでもってジュドー~



ここはジオンの西の外れ
この辺りでは一番栄えたこの街の外れに男は小型の空飛ぶ船を着けさせると紅蓮のマントをひるがえした。
彼の身の回りを世話をするモーグリの一匹が彼に恭しく赤い帽子を手渡す
男はそれに笑みを見せると目深に赤い羽帽子をかぶり、夜の盛り場へと歩き出した。

男の格好は一見すると赤魔導師のようだ。
だが並の冒険者なら、すぐにただ者では無いと分かるだろう。
彼が身に纏う凄みのようなもの
それと派手好きな彼が身に付けているのは
一介の赤魔導師ふぜいが身に付けられるような代物では無いと言うことを。

オレンジ色の街灯が霧で濡れた街のレンガを艶やかに光らせている
細く曲がりくねった小道から店の明かりとにぎやかな喧騒が漏れている

(ここにしよう)

赤魔導師を装った“シャア”は店へ入ると手近なテーブルに着き酒と軽い物を頼んだ
店には古めかしいパイプオルガンと、その音色に合わせて踊る若い踊り子が踊っている
ステージは丁度最高潮のようで口笛と男達の熱い声援が一層大きく鳴り響いた
シャアもそれを聞きながら踊り子のなまめかしい踊りを楽しんだ。

ジオンは連邦よりも科学が進んでいる。
だが、こういった町や建物、それと装飾などは割と古めかしい物を好む国だった。
さすがに中枢都市ともなると機能性を生かしたビルの群れにはなるが、
地方都市などは様式美を重んじることが格段に多い
ここもその一つで
それらを好むシャアは時々こうして夜の町にまぎれては、人の温もりを確かめに来た。

シャアが運ばれた酒に口を付けてると
ショウを早めに切り上げた踊り子が勝手にシャアの隣へと腰を下ろす。
踊り子は16,7の小娘で、短い赤毛を汗でしっとりと濡らし 気の強そうな視線でシャアを見た。

「見かけない人だね。この街は初めて?」

その質問に“そうだね”と答えながら店の親父に彼女の物を頼む。
回りの席からやっかみの声がひっきりなしに上がった

「そう。じゃあ、時間はある?案内するよ」
「ほう?案内・・・?」
「そう、案内」

女はそう言いながらシャアに目を合わせたままオリーブを口に含んだ。
その姿にシャアは、自分の思い人の事を鮮やかに思い出し彼女の姿と重ねてしまった。

彼女の若さ溢れる肉体は、最初に出会ったときの幼い彼の肢体に似ている
気の強い眼差しや態度は、苦難辛苦を得て身についた彼の態度とそっくりだった
思わず気持ちが溢れてふらりと彼女の赤毛に手を伸ばす
だが、触れる前に彼女がぱしりと手で払い、にやりとシャアに笑んだ

(・・・まいったな、こんな所まで似ているとは)

シャアは苦笑して、彼女がグラスを空けるのをしばし待ってから席を立ち
「では、不慣れなものでね。案内を頼む」
と、そう言った。彼女はニコリと笑って腕を絡めてきた。


***


「あらやだ、モーグリじゃない!珍しい!」


店を出て街の中程にある広場
聖なる水の溢れる噴水の所まで歩いていくと彼女が出し抜けにそう叫んだ

・・・確かにシャアの城には沢山のモーグリ達がいるが、こんな町中にモーグリは普通いない
では、自分の所のモーグリだろうか?と目を向けるが・・・何かがちょっと違う気がした。
そうだ、鼻の色が違うのだなと気づいたところで頭の中に声が響く
普通モーグリは鼻がピンク色をしているのに、そいつは鼻も羽根も青かった。

『こんな所で何してるかと思ったら、何やってんですか大尉』
「カミーユか・・・!?」

思わず漏れてしまった声に彼女が訝しむ視線を向けた。
それにシャアは“すまないね、用事が出来てしまったようだ”と告げ金貨を数枚彼女に渡す

「え?こんなに・・? なんだか悪いわ」
「気にしないでいい。良い夢を見たまえ」

“ありがとう”と告げる彼女が去ると、青いモーグリは泉の水を一口飲んだ
するととたんにモーグリはかき消え、そこに青い髪の青年が現れる。
口を開いたのはシャアの方が先だった

「久し振りだな、カミーユ。随分と懐かしいな 今まで一体何処にいた?」
「・・・・大尉は俺が何処にいたと思ってるんです?」
「・・・? あの戦争で嫌気が差して姿を隠していたのだろう?私の元からも」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「君の気持ちは痛いほど分かったのでね、探しはしなかったし記録も出来る限り抹消したはずだが。
・・・・・・何を怒っている?カミーユ」
「あああ!もうっ・・・!嫌になるっ!!」

カミーユはガンッ!と噴水の淵を腹立たしげに叩いた
ビシッっと硬い石の台座にヒビが入る

「あのねぇ!俺はアンタと違ってそんな事で身を隠したり何かしない!」
「・・・・? では何処に?あの後の戦いでも君のような噂の一つも私は聞かなかったぞ?」

飄々とした態度のシャアにカミーユはしたたかにキレた。
記憶よりも幾分か年を取った師匠につばを飛ばしながら一気にまくし立てる

「そりゃあそうでしょうよッ!俺は十日ほど前までずっと眠ったような状態だったんだからッ!!
シロッコの最後の呪いでそうなったんですっ!!分かります!?起きたらあの戦争なんて遠の昔で、
もうひとつ戦争が起こった後だって言うじゃないですか!?それもあなた主導で!
俺の気持ちが分かりますか!?どんなに悔しい気持ちだったかっ!
アムロさんからそれ聞いたときホントに心の底から詫びましたよ!もちろんアムロさんにね!」

シャアは驚いた表情でそれを聞いていたが、口から出たのは一番気になる単語だけだった。
「・・・アムロだと?」

それにカミーユはいっそうムカムカを募らせながら吐き捨てるように言葉を続けた

「そうですよッ!俺を助けてくれたのはアムロさんですよ!どんなことが起こったか教えてくれたのもね!」
「では何故アムロはここにいない!」
「いるわけないでしょうが!貴方の顔なんて見たくもないに決まってます!アンタ彼に何したか分かってるんですか!?それになんです!!あの女は!」
「あの女?」
「さっきの踊り子です!まるっきりアムロさんじゃないですかっ!身代わりですか!?まったく不潔ったらありゃしない!アムロさんにこだわって戦争まで起こしてする事がこれなんて・・・ホント情けなくて涙が出ますよ!」

「言ってくれるな、カミーユ」

さすがのシャアもここまで言われて苦い表情になった。
それにカミーユは多少溜飲が下がったのか一息ため息をもらした。

「ではいったい私に何のようだね?カミーユ」

それにカミーユは鼻息をふんとならして言い放つ

「もちろん修行の続きとあなたの見張りです。まったく目を離すとろくな事しやしないんだから。」
「見張りだと・・? カミーユ、それが師に対する言葉とは到底思えんがね」
「いいんです!俺と大尉はフィフティーフィフティーですから。俺も大尉にみっちり仕込んであげますから」
「何をだね?」

不愉快そうに呟いたシャアにカミーユはそこで初めて笑った。

「アムロさんを落とす方法をですよっ!決まってるじゃないですか!」

その言葉に面食らったシャアを余所にカミーユは“飛空艇あっちですよね”と走り出す
それに付いていきながらシャアは渋い顔で
「アムロは徹底的に私を避けているのだぞ?」と呟いた。
そんな師匠にカミーユは苦笑して“大丈夫ですよ”と告げた。

「アムロさんが“シャアによろしく”ですって。」
「アムロが・・・・?」
「あんな事までしたのにね。アムロさん、もうそんなには怒ってないですよ 多分」
「多分?」
「はいはい。じゃ、絶対。脈はあると思います」

それに気をよくしたシャアはしつこいくらいにアムロの様子をカミーユに聞いた
それに適当に答えながら、久し振りの我が家にカミーユは心をウキウキと躍らせる。


飛空艇が目指すのは西の地の果てにある“幻の森”の奥
そこでシャアとカミーユの新しい生活が始まったのだった。



つまらぬ続きを書いてしまったり。ジオンサイドです。・・・そう、ジオンはFF系で!
私 さほどマニアじゃ無いので、両方Ⅲの世界観で行こうかなぁと。
ちなみにカミーユがモーグリに化けてたのはシャアの行った先をモーグリに聞くためです。
補足をこんなトコでしてすみません。因みにタイトルもちょいと改題しました。
何とかGの森更新。・・・桜の方ほったらかしになってるのに目眩を感じます。
ああ・・・でも、そんな事じゃないだろ?自分!
もうすぐ試験なのに~!勉強しないでどうするよ~!?
だけど、こんな時にかぎって妄想がふくらんじゃうんだよなぁ・・・。

と言うことで・・・
ドラクエとFFとナウシカが入り交じっちゃうようなの(+赤ずきんチャチャ)書きます。
・・・マイマイ、出る!
(↑ハイテンション)笑



Magic of the earth  ~アムロとシャアと時々カミーユ~




唱えた声はやがて大きな波となり、辺り一面にこだまする

パルプンテ・・・パルプンテ・・・パルプンテ・・・

ガチャン!

なにかが こわれるような おとが した!




「くへ~、 キッツ・・・」

ジュドーはしたたり落ちる汗を拭いながら下を見た。
そして見なきゃあ良かったよ・・・と後悔しながらまた一つ足を一歩下に踏み出す。
マスクが息苦しくて外したくてたまらない。
だがそれをすれば一分とたたないうちに肺が腐って悶え死ぬ羽目になるだろう・・・

ここは人の立ち入ることの許されぬ腐海の森
猛毒の胞子をたわわに付けた巨大な菌糸類が至る所を埋め尽くしている。
もちろん未開の地に道など有るはずが無く、
こうしてジュドーは命綱無しの断崖絶壁ロッククライミングをする羽目になっているのだ。

「なんちゅ~所にいるんだよ、大魔導師アムロって奴は・・・。」

そう、ここに住まうは連邦屈指の大魔術師”アムロ・レイ”
気まぐれな彼はめったに人前には現れず、この人を拒む東の地の果ての奥に暮らしているという
元は宮廷魔導師だったらしいが、その余りの力に連邦も恐れをなしたという事だ。
それを物語るのが彼の通り名 白い悪魔 と言う奴
話によると大魔導師アムロは白銀の竜に姿を変えて、敵のジオン兵を頭からばくばくと食べたらしい。

「やっぱりヤベ~よなあ。・・・でも、カミーユさんの為だし・・・」

ジュドーはそんな曖昧な独り言を呟きながら谷底を目指す。
・・・だが、降りても降りても下が見えない。
谷底はいったい何処まであるのかとジュドーの気持ちを萎えさせる
でもここを超えなければ大魔導師が住んでいそうな尖った城のような洞窟にたどり着けないのだ
やってやんぜ!と空元気を出しながら下へ下へと降りていった。

カミーユと合ったのは一ヶ月前だ。
丁度何処かの病院に運ばれる所をたまたまジュドーが居合わせた。
それだけ。
カミーユがジュドーの手を握って、感応さえしなければ。
カミーユは何も話さず、まるで生きた人形みたいだった。
虚ろな瞳が綺麗だったけど、とても悲しい気分になった。
気になって彼の事を調べてみると、随分前の大戦の終わりぐらいに彷徨っているところを拾われたという。
けれど、どんな治療もどんな魔法も利かないらしい
彼を長年直そうと試みてる治療者は”これは特殊な魔法のせいじゃないかしら”と言った。
そして”きっとこれを癒せるのは大魔導師アムロ以外にいないかも”とも

話によると、ジオン系の魔法はまったく反応が無いらしい。
連邦系は多少反応があるのだけれど、最高位と言われた呪術師でさえも匙を投げたという
だから、もうアムロ・レイだけが頼りなのだ。
ジュドーはそれが分かると東の地の果てへと向かっていた。
どうせ気ままな一人旅。でっかい夢は大金持ちに成ることだ!
職業盗賊、町では商人。男ジュドー腐海の森にいざ出陣!
未開の地は、きっとお宝満載だぜ~~~!
・・・と言うことで話は現在に至る。

「うわっと!」

手を掛けていた菌糸の枝がずるりと剥がれた。
とっさに体制を立て直したから平気だったが、・・・ホント、嫌になる。
この、ジャングルそのままの菌性植物?達とそれとありえないだろ、なんだよコレ!?な巨大昆虫ども
これらを魔導師アムロ・レイが生み出したというなら実に嫌な奴だなあ、とジュドーは思った。
そういえば、”頭からばりばり食った”というのはジオンの人間から聞いた話なのだが、連邦の人間から聞いた、彼のえげつないエピソードは、”お前なんかメラ一発さ”と言う奴だ。
どうやら当時の連邦のNO2魔導師がアムロ・レイに勝負を挑んでこういわれたらしい。

”メラ一発”

どんなに修行を積んだとしても、メラはメラだ。
拳大程の炎の固まりだ。
最近じゃかまどの火を起こすのにも使われるくらいポピュラーなそれ。
もちろん、勝負を挑んだ奴は怒っただろう。

だが・・・負けた。メラ一発に。

いや、詳しく言うとメラ一発だけじゃないけど。
メラ言う前にガソリンどばっとぶっかけたけど。
それからマヒャドで消火したそいつにアムロ・レイは言ったという
”勝負は魔法だけって制限無かったろ?”と。
その他にもエトセトラエトセトラ・・・伝説は至る所にちりばめられている。
俺としてはそんなヤバイ相手に会わず、スキみてお宝ゲット
そしてカミーユさん直す巻物ゲットといきたいところだね。

(随分言ってくれるね)

頭の中に響き渡る声に躯の血がざざざと冷え渡った
ぎぎぎ・・・と横を見ると真っ白な竜がすぐ横の崖で自分を見つめていた。
”・・・・殺される!!”
そんな気持ちで慌てたジュドーはがけの下へと真っ逆さま。
気付いたときにはもう遅い

「おわわわわわわわわわわ・・・・・・!」

落ちて行く先には訳分かんない羽の生えたムカデ(もちろん超巨大)がいた
そいつは多分ジュドーを食べようと突き出た顎をかちかちと鳴らしてる。

(天国の父さん母さん、それからリイナ、俺、夢を叶えられなかったよ・・・。)

そんなお別れの言葉で浸っていると、ジュドーのすぐ横を白い竜がばっさばっさと付いてくる
もしかしてここでこいつに食われちゃうのか、と心で十字を切ったところだった。

(ほんっっ・・・と失礼だね。俺が誰をバリバリと食ったって!?)

え?アンタでしょ?と見上げると、また頭の中に声が響き渡った。

(食うわけ無いだろ!?人間を。・・てか、ジュドー?君さ)

「・・・・はい?」

(その子助けたいの?お宝あさりにきたの?どっち?)

「どっちも!」

こんな状況で嘘付ける奴いるはず無いとジュドーは即答
その時羽の生えたムカデが”カシーンッ”とジュドーめがけて顎を鳴らす
・・・間一髪
まだジュドーのお腹はさようならをしないですんだようだ。

(はぁ。まぁ夢は大金もちねぇ。ある意味君って真っ直ぐだよね。)

ひーこらジュドーが空中でダンスを踊っているのをよそにのんきな声は続いてく

(お金は、妹の為かぁ・・・あ、やば、俺 こういうのに弱いんだよね。お涙ちょうだいものとかさ)

「あ、あ、アンタねぇ・・・!」

虫との戦いはまだ続く!突き出された鋭い顎をジュドーはウルトラCで必死にかわす

(ん?助けたい子はちょっとヨコシマ?お礼のデートねぇ・・・。そんな巧くいくと思う??若さだなぁ)

ジュドーは虫の胴体に掴まりながら竜に叫んだ。もう一匹がジュドーを狙って近寄ってくる

「アンタ!助けてくれるの!くれないの!?」

それに白銀の竜はにやりと笑い 『あやまったらね』と呟いた。

もちろんジュドーがどうしたか。
というかこの状況で謝らないやつは絶対にいないだろう。
白銀の竜、アムロ・レイはその言葉を聞き終えるとジュドーの襟首をひっつかみ
急降下で地面すれすれを旋回した。



***


「ありゃ。シャアん所のおちびじゃないか」
「は?誰です?シャアって・・・。」

ま、いいか。と呟いてアムロはカミーユを調べだした。


あの後ジュドーは竜の姿をしたアムロに口にくわえられたまま連邦の小さな町に降ろされた。
カミーユの病院がある町に。
それを知るとジュドーはアムロにもう一度へーこら謝り、人の姿へ戻ったアムロを病院まで連れてきたのだ。
大魔導師アムロは、人の姿になると驚くほど平凡だった。
だが、さすが連邦屈指と言われる腕前は確かなようだった。

「ああ、分かったよ。これパルプンテだ。術者は・・・う~ん、シロッコ!すごいね~、イタチのすかしっ屁?」
「はぁ?さっきから何なんですか~~??さっぱりわかんねぇ~~~」
「いやいや、最後っ屁。・・・・所でジュドー。この子のどのへんに惚れたの?」
「え?やだな~アムロさん。どこって?そんなのこの可愛らしい顔とかさ~~」
「ふんふん」
「このはかなそうな、守ってやんなきゃ駄目そうな・・・わかる?」
「ほうほう」
「こういう女の子って、男のロマンだと思わない!?
ああーーー俺、この子と結婚できるかなぁ~アムロさん!どう思います!?」

しらないなあ、と意地悪くアムロは笑むと手のひらからキラキラ光る粉を振りかけた。
しばらくするとカミーユが”う~~~ん”とうなって伸びをする。

「じゃ!ジュドー。後はしっかりな、応援してるぞ?」
ドアの外で待ってるから~と立ち去るアムロにジュドーは純粋な気持ちでありがとうございます!を言った。
アムロは”ほらほら、最初が肝心だぜ?ジュドー”とはやしてからドアをパタンと閉めた。
それと同時にカミーユはたった今起きたばかりのように目を開き「君は・・?」と呟いた。
その、初めて意志を持って動くカミーユに感動したジュドーは
”お?声は意外に低いのか~、なんかセクシィー”
とか思いながら思いの丈を口にした。

「俺、ジュドー・アーシタ!ぜひカミーユのお婿さん候補にひとつよろしく!」


地を這うようなプレッシャーの嵐
響き渡る怒声と炸裂音にアムロはひひひと笑った。


「俺は男だよぉぉぉーーーーーーーー!!!!」


その後顔をパンパンに腫らせるだけ腫らしたジュドーは”せめてもの冒険のご褒美だから”
とアムロににっこり言われ、有り金をなかば強制的にカジノに賭けさせられる。
なんと・・・そこで一財築いて晴れて故郷に錦を飾ることが出来たのだ!
その、見事なまでも勝負強さにジュドーは惚れ込みアムロの弟子となるのはすぐ後のこと
カミーユも自分の師匠の元へ、西の地の果てへと旅だった。



そう、お話はここから始まります。
長く続いた戦争が終わり、伝説の魔導師2人の元に弟子が一人づつ。
いったい彼らはどんな生活を送るのか・・・
それは次回のお楽しみ




なんじゃいこの長さ、このテンポの悪さ、この締まりの悪いシメ。
あ~~~疲れたよ~~~~。それにシャア出てこないし。
あ、それに副題に問題ですね。今ここで付け足しときましょう!

~それとついでにジュドーもね~
ステキサイト様はっけ~ん!
触発されたんでちょいと書いちゃいます。
汚れた・・・文章をね。・・・クククッ!



G ファースト・ギャグ ララアの僥倖



ララァが雨上がりのテラスで微睡んでいると1羽の鳥が悲しげに鳴いた。
水辺でのたうつ鳥は死期が近いのか 水辺でもがき苦しんでいた。
鳥は白鳥だろうか。
だが、今水辺でのたうつそれは、白鳥という鳥の優美さはまったく影を潜めている
所々羽は抜け、やせ細り、なんだか汚らしくララァには見えた。

(老いて死ぬのはいやあね・・・。)

そんな傲慢な思考に思いをはせ そこで、ある事に気付く。
・・・・・・大佐の事だ。
ララァの大好きなシャア大佐は、すごくいい男だ
ララァはシャアの事をちょっと分析してみた。

金髪 青い目 整った顔立ち。身長も高く年齢はピチピチ。モチ性欲は旺盛
(SEXの技術は今ひとつだが時間を掛けて何気なく仕込めばそのうちきっといい仕事をしてくれるだろう)
博識で聡明。フェミニストな上、自分にぞっこん。そして高資産。
(シャアがジオン採掘場金鉱脈の一つを階級に任せて横領したのを、実はララァは知っている)

シャアはララァにとって憧れで手放せない王子様だ。
何処にもスキがなく完璧!まさにパーフェクト!!
だが、そんなシャアにも落とし穴があったのだ・・・!
そう、それは老い。
ララァは彼が、年を取って変わってしまうのでは?と不安に思った。
嫌な想像は次から次へと浮かんで、ララァの頭を悩ませた。

(大佐が、食事の後に爪楊枝でシーハーやるのなんて許せないわっ!)
(ああっ大佐がはげるとなんて切ないのかしら。そういえば”ヘルメットは蒸れるな”とかおっしゃっていたわ!)
(あああ!それを言うなら軍靴よっ!確か地球で水虫の薬を買っていたじゃないの!)
(それに大佐ってば甘いものに目が無いんだったわっ!ぶよぶよな中年太りの大佐!サイテーだわっ!)
ああ・・・私はなんて ”カワイソウ” なのかしらっ・・・!

その時だった。
いつの間にかララァの側に誰かが立っていて、何かを呟いた。
あまりの事に呆然として良く聞き取れなかったが、言葉尻だけは何とかとらえる事が出来た。

「・・・・・スキだったんですか?」

その言葉に相手を見上げる。
立っていたのは連邦軍の少年兵。
くるりと撒いた赤毛に、どこか乳臭い顔立ち。舌足らずな声・・・。
真っ直ぐに伸びた足ときゅっと締まった小尻がとてもララァの好みだった。
だが、それだけでは無い胸のドキドキにララァは戸惑う。
彼の瞳を見ると美しく澄んでいてララァを幸福にさせたが、先程の言葉に少しカチリと来た。
少年はララァの思考を読んだのだろうか?・・・まさか!と思いつつも否定できない何かがあった。
そして彼はララァに聞いたのだ?”貴方、それでもシャアの事好きなんですか?”と・・・
青臭い小僧に何が分かって?とララァも負けずに言い返した。

「美しい者を嫌いな人がいるのかしら?
・・そしてその美しい者が年老いて死んでいくのを見るのは悲しい事ではなくて?」

その時、ララァの頭で何かが弾けた!

目の前の少年が成長し、シャアと罵り合いながら果てるのを・・・!
成長した少年もシャアも、凛々しく輝きを放ち、様々な人間を引きつける。
そして自分と相対する時、・・・実に色ッペ~苦悶の表情を浮かべるのだ。
これほど嬉しい事はない・・・!
ララァの大好きなシャア大佐は、遠い未来でも大好きなシャア大佐だったのだ!

それからも様々な映像がララァを包み込む・・・

それらは、ララァの大好きな禁断の愛を匂わせる2人の草原での格闘シーンだったり、
涙を滲ませながら彼に向かって叫ぶ大佐のシーンだったり・・・色々だ。
そして・・・それは突然に消えた・・・。

「止んだわ!」

ララァはどうしようもない嬉しさで外を駆けだしていた。
ちょうど外は雨が止んでいた。
少年と目が合うと、ララァは微笑んで彼を見つめた

「綺麗な目をしているのね」

ララァは何処までも駆けた。
(私の大佐は永遠に美しい・・・!)
嬉しくて駆け回っているうちにララァが見た”刻”はパチンと弾けて記憶から消えてしまった。




だが、ララァは幸せだったのだ。




後の彼が ”クワトロ・バジーナ” と名乗る頃・・・

カミーユ・ビダンに

「あっ!大尉!食事終わったからってシーハーするのやめてくださいよっ!親父臭いなぁ・・・もうっ!」

とか

「もうッ!大尉!俺の前で靴脱ぐの止めて下さいって言ってるでしょ!?臭いったらありゃしないんだから」

とか

「クワトロ大尉!風呂上がりにタオルで股間をパシーンって打つの、ハッキリ言って不快です!
オッサンですかアンタ!?嫁さんが来ないのはどうしてそれだって気付かないんです!?」


とか罵られるのを見ないで済んだのだから・・・。


(END)





ぎょわ~~!色んな方に石投げられそうな物を!!
でもでもっ!ワタクシこんなララァも大佐も大好きです!
(嘘をつけ嘘をっ!) 
ガンダムEVOLVE・・・12・・・!!
見たいよ~何で映像無いんだよ~(泣き)
ちゅ~か”ガンプラ”って作ったことないしな~
色とかスプレーで塗装したりするんだろうけど・・・不器用だしなぁ。
そういえば友人の友人(それは他人という)がプラスチック関係の仕事の人なんですが・・・
なんと等身大ザク作ってるそうです!
ぎゃ~一体回してくれ~・・・もちろんタダで!(ドきっぱり)
それも百式作ってくれ~~~!
おいら、広い家に住んだら絶対半壊させた百式庭に飾ってやる!
もちのロンで、そこで大破したように飾るっちゃ!(何語?)
つまりは等身大ジオラマ。
それ見ながらこういう妄想とかに浸りたい・・・。↓

http://www.youtube.com/watch?v=NXzAdk9v61c&mode=related&search=

もう、こんな事ばっかしててもしゃーないですね。
ちょいと妄想を形にしますかと。



G パラレル 永遠の恋人 陽の時4




「あ・・・!俺も手伝います!」


学校を終えて走って目的地へたどり着いたカミーユはそこで重い荷物を抱えているシャアを目にした。
自分の身の丈より大きい、木で出来た古そうな何か。
シャアは持ちずらそうに抱えて家の中へと運び込もうとしている。
足元をちょこちょこ小走りしながらまとわりついてる猫のアムロが、危なっかしいしなんだか可笑しい。
シャアに端を持つと伝え、アムロに「危ないからアムロは中!」と声を出すと、
それだけでアムロは意図を解し店の中へ入っていった。

「すまない 助かったよ。今コーヒーを入れてこよう」

店の奥にある作業部屋なのだろうか?
やけにさっぱりとした部屋の中にそれを運ぶと、シャアさんは馴れた感じでキッチンに向かう。
もちろん、アムロに“怪我はなかったかい?”と甘い声をかけてから。
カミーユがここに入り浸って1週間。何だかくすぐったい時間を過ごしている。
別に何をするわけじゃないけど、ここはとても居心地がいい
家でもない、学校でもない、自分だけの秘密の空間。
部屋の外からコーヒーのいい香りが漂ってきた
シャアさんは凝り性でコーヒーの豆から入れ方まですごく気を使う人だ。
それを楽しみにしながら部屋の中をぐるりと見回す。
棚の奥には2Fへ続いているだろう階段
壁に付けた長い作業台に工具らしき品々
点々と置かれている丸椅子と、窓際に小さな机が一つ。
興味を引かれて歩き出す。

「・・・・・・・・?・・・・誰?」

机と、机の上の本棚の間
そこには一人の人間の写真が所狭しと貼ってある。
・・・・・・しかも、男。 彼だけが写っている無数の写真。
その下に、映像を記録するチップも無造作に散らばっている。
もしかして・・・これも・・・彼なのだろうか?

「見られてしまったか。」

ぎくーーーーっ!と身体を強ばらせて振り返ると笑われた。
”そんなに驚くこともないだろう”とコーヒーを手渡し苦笑を浮かべるシャアさん。

「彼を・・・まだ見てない?」

それを問われて”彼”とは写真の人だと悟り首を振った。
つまり、よくここに出入りしてる人なのだろうか。

「まだ、合ってませんね。・・・・・」

続けてしまいそうな言葉を飲み込むためにコーヒーを口に付ける。
暖かいコーヒーはほのかな酸味を舌に広げ、芳醇な香りで鼻孔をくすぐる
シャアさんは飲み込んだ言葉を見つけたようだがそれには沈黙した。
自分もコーヒーに口を付け、ほうとため息をついて

「そのうち君も合うだろう」

とその話題を締めくくった。
ちなみに”・・・・”の飲み込んだ言葉というのは、”どういうご関係ですか?”だ。
シャアさんはコーヒーを置くと先程運んだ物をゆっくりと眺め、軽く弄りだした
それは、アンティークの大きな古時計だった。

「壊れてるんですか?」
「それを今から調べるところだ」

アムロはさっきから姿を見せない。何処かへ遊びに行ってしまったようだ。
シャアさんは古時計を熱心に調べ、中の構造を見るため蓋を開けた。
・・・・随分複雑な作りのようだ。
俺もそれに興味が沸いてシャアさんを手伝った
2人であーだこーだ言いながら分解し組み立てる。
・・・が、どうしても文字盤のアクションが起こらない。

「コレは・・・無理だな。・・・アムロに頼むしかないな・・・」
「・・・・は??・・・アムロ???」

猫のアムロに何を頼むって?と目で問うとシャアは一瞬分からないという顔をしたが
カミーユの言いたいことを悟ると”ああ・・”といった感じで口を開いた

「ああ、すまない。・・・・そのアムロでは・・・無い、・・のだよ。」

そう言うとシャアは先程の机を指さした。

「え?・・・・もしかして、あの写真のヒト アムロっていう・・名前?」
「鋭いね、その通りだ。彼はアムロだ」
「・・・・・・・猫も、・・・アムロですよね?」
「ああ。同じ名だな」

にっこりと笑う彼に”はぁぁ~~~”とため息が漏れる。

つまり・・・・そう言うことだ。

猫に”アムロ”という名前を付けて猫かわいがりするのも。
その彼の写真(多分映像も)をあんなふうに飾ったりするのも。

別に・・・同姓同士の恋愛に興味も無いが、嫌悪もしない
確かに・・・こんなすごい美形なのに女っ気が無いのも頷ける

だけど

・・・・ものには、限度って奴があってもいいと思う。


「アンタ・・・・」

「・・・・・・・?・・・」

「アンタ、おかしいんじゃないですか・・・?」


するとシャアさんは軽やかにはははと笑った。


「昔、彼にも言われたな」


そう言ってまたひとしきり笑った。
カミーユは、もう一度”はぁ”とため息を付くと置いていたコーヒーを一気に煽った
コーヒーは冷めていて、ちょっと苦い味がした。
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自己紹介:
雄と言えなくもないメス科。
なんかそのへんふらふらしてたらあっというまに年をとってた、熟れすぎの果実。(果実は言い過ぎだろーが!!)
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