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ああ・・過ぎゆく日々の戯れ言よ・・・
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ふふふっ 現実逃避中です。
ゲームのやり過ぎか右手首が痛いなぁ・・・



Magic earth ~アムロとシャアと時々カミーユ、そんでもってジュドー~



ここはジオンの西の外れ
この辺りでは一番栄えたこの街の外れに男は小型の空飛ぶ船を着けさせると紅蓮のマントをひるがえした。
彼の身の回りを世話をするモーグリの一匹が彼に恭しく赤い帽子を手渡す
男はそれに笑みを見せると目深に赤い羽帽子をかぶり、夜の盛り場へと歩き出した。

男の格好は一見すると赤魔導師のようだ。
だが並の冒険者なら、すぐにただ者では無いと分かるだろう。
彼が身に纏う凄みのようなもの
それと派手好きな彼が身に付けているのは
一介の赤魔導師ふぜいが身に付けられるような代物では無いと言うことを。

オレンジ色の街灯が霧で濡れた街のレンガを艶やかに光らせている
細く曲がりくねった小道から店の明かりとにぎやかな喧騒が漏れている

(ここにしよう)

赤魔導師を装った“シャア”は店へ入ると手近なテーブルに着き酒と軽い物を頼んだ
店には古めかしいパイプオルガンと、その音色に合わせて踊る若い踊り子が踊っている
ステージは丁度最高潮のようで口笛と男達の熱い声援が一層大きく鳴り響いた
シャアもそれを聞きながら踊り子のなまめかしい踊りを楽しんだ。

ジオンは連邦よりも科学が進んでいる。
だが、こういった町や建物、それと装飾などは割と古めかしい物を好む国だった。
さすがに中枢都市ともなると機能性を生かしたビルの群れにはなるが、
地方都市などは様式美を重んじることが格段に多い
ここもその一つで
それらを好むシャアは時々こうして夜の町にまぎれては、人の温もりを確かめに来た。

シャアが運ばれた酒に口を付けてると
ショウを早めに切り上げた踊り子が勝手にシャアの隣へと腰を下ろす。
踊り子は16,7の小娘で、短い赤毛を汗でしっとりと濡らし 気の強そうな視線でシャアを見た。

「見かけない人だね。この街は初めて?」

その質問に“そうだね”と答えながら店の親父に彼女の物を頼む。
回りの席からやっかみの声がひっきりなしに上がった

「そう。じゃあ、時間はある?案内するよ」
「ほう?案内・・・?」
「そう、案内」

女はそう言いながらシャアに目を合わせたままオリーブを口に含んだ。
その姿にシャアは、自分の思い人の事を鮮やかに思い出し彼女の姿と重ねてしまった。

彼女の若さ溢れる肉体は、最初に出会ったときの幼い彼の肢体に似ている
気の強い眼差しや態度は、苦難辛苦を得て身についた彼の態度とそっくりだった
思わず気持ちが溢れてふらりと彼女の赤毛に手を伸ばす
だが、触れる前に彼女がぱしりと手で払い、にやりとシャアに笑んだ

(・・・まいったな、こんな所まで似ているとは)

シャアは苦笑して、彼女がグラスを空けるのをしばし待ってから席を立ち
「では、不慣れなものでね。案内を頼む」
と、そう言った。彼女はニコリと笑って腕を絡めてきた。


***


「あらやだ、モーグリじゃない!珍しい!」


店を出て街の中程にある広場
聖なる水の溢れる噴水の所まで歩いていくと彼女が出し抜けにそう叫んだ

・・・確かにシャアの城には沢山のモーグリ達がいるが、こんな町中にモーグリは普通いない
では、自分の所のモーグリだろうか?と目を向けるが・・・何かがちょっと違う気がした。
そうだ、鼻の色が違うのだなと気づいたところで頭の中に声が響く
普通モーグリは鼻がピンク色をしているのに、そいつは鼻も羽根も青かった。

『こんな所で何してるかと思ったら、何やってんですか大尉』
「カミーユか・・・!?」

思わず漏れてしまった声に彼女が訝しむ視線を向けた。
それにシャアは“すまないね、用事が出来てしまったようだ”と告げ金貨を数枚彼女に渡す

「え?こんなに・・? なんだか悪いわ」
「気にしないでいい。良い夢を見たまえ」

“ありがとう”と告げる彼女が去ると、青いモーグリは泉の水を一口飲んだ
するととたんにモーグリはかき消え、そこに青い髪の青年が現れる。
口を開いたのはシャアの方が先だった

「久し振りだな、カミーユ。随分と懐かしいな 今まで一体何処にいた?」
「・・・・大尉は俺が何処にいたと思ってるんです?」
「・・・? あの戦争で嫌気が差して姿を隠していたのだろう?私の元からも」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「君の気持ちは痛いほど分かったのでね、探しはしなかったし記録も出来る限り抹消したはずだが。
・・・・・・何を怒っている?カミーユ」
「あああ!もうっ・・・!嫌になるっ!!」

カミーユはガンッ!と噴水の淵を腹立たしげに叩いた
ビシッっと硬い石の台座にヒビが入る

「あのねぇ!俺はアンタと違ってそんな事で身を隠したり何かしない!」
「・・・・? では何処に?あの後の戦いでも君のような噂の一つも私は聞かなかったぞ?」

飄々とした態度のシャアにカミーユはしたたかにキレた。
記憶よりも幾分か年を取った師匠につばを飛ばしながら一気にまくし立てる

「そりゃあそうでしょうよッ!俺は十日ほど前までずっと眠ったような状態だったんだからッ!!
シロッコの最後の呪いでそうなったんですっ!!分かります!?起きたらあの戦争なんて遠の昔で、
もうひとつ戦争が起こった後だって言うじゃないですか!?それもあなた主導で!
俺の気持ちが分かりますか!?どんなに悔しい気持ちだったかっ!
アムロさんからそれ聞いたときホントに心の底から詫びましたよ!もちろんアムロさんにね!」

シャアは驚いた表情でそれを聞いていたが、口から出たのは一番気になる単語だけだった。
「・・・アムロだと?」

それにカミーユはいっそうムカムカを募らせながら吐き捨てるように言葉を続けた

「そうですよッ!俺を助けてくれたのはアムロさんですよ!どんなことが起こったか教えてくれたのもね!」
「では何故アムロはここにいない!」
「いるわけないでしょうが!貴方の顔なんて見たくもないに決まってます!アンタ彼に何したか分かってるんですか!?それになんです!!あの女は!」
「あの女?」
「さっきの踊り子です!まるっきりアムロさんじゃないですかっ!身代わりですか!?まったく不潔ったらありゃしない!アムロさんにこだわって戦争まで起こしてする事がこれなんて・・・ホント情けなくて涙が出ますよ!」

「言ってくれるな、カミーユ」

さすがのシャアもここまで言われて苦い表情になった。
それにカミーユは多少溜飲が下がったのか一息ため息をもらした。

「ではいったい私に何のようだね?カミーユ」

それにカミーユは鼻息をふんとならして言い放つ

「もちろん修行の続きとあなたの見張りです。まったく目を離すとろくな事しやしないんだから。」
「見張りだと・・? カミーユ、それが師に対する言葉とは到底思えんがね」
「いいんです!俺と大尉はフィフティーフィフティーですから。俺も大尉にみっちり仕込んであげますから」
「何をだね?」

不愉快そうに呟いたシャアにカミーユはそこで初めて笑った。

「アムロさんを落とす方法をですよっ!決まってるじゃないですか!」

その言葉に面食らったシャアを余所にカミーユは“飛空艇あっちですよね”と走り出す
それに付いていきながらシャアは渋い顔で
「アムロは徹底的に私を避けているのだぞ?」と呟いた。
そんな師匠にカミーユは苦笑して“大丈夫ですよ”と告げた。

「アムロさんが“シャアによろしく”ですって。」
「アムロが・・・・?」
「あんな事までしたのにね。アムロさん、もうそんなには怒ってないですよ 多分」
「多分?」
「はいはい。じゃ、絶対。脈はあると思います」

それに気をよくしたシャアはしつこいくらいにアムロの様子をカミーユに聞いた
それに適当に答えながら、久し振りの我が家にカミーユは心をウキウキと躍らせる。


飛空艇が目指すのは西の地の果てにある“幻の森”の奥
そこでシャアとカミーユの新しい生活が始まったのだった。



つまらぬ続きを書いてしまったり。ジオンサイドです。・・・そう、ジオンはFF系で!
私 さほどマニアじゃ無いので、両方Ⅲの世界観で行こうかなぁと。
ちなみにカミーユがモーグリに化けてたのはシャアの行った先をモーグリに聞くためです。
補足をこんなトコでしてすみません。因みにタイトルもちょいと改題しました。
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自己紹介:
雄と言えなくもないメス科。
なんかそのへんふらふらしてたらあっというまに年をとってた、熟れすぎの果実。(果実は言い過ぎだろーが!!)
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