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ああ・・過ぎゆく日々の戯れ言よ・・・
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ある日の出来事



俺は今どうしようもなく絶望的な気分を味わっている。
それは“ここ”にいるシャアのせいだ。
奴は、シャアは、何故か今俺の足元にうずくまって
俺を見上げて生を終えようとしている。何故だ!?
奴を罵り、下に行ってララァを浄化しろとうるさく言っても、正に聞く耳無しだ
こう言うときに口が聞けないのは本当に困る
これが神とやらの所業なら、なぜシャアは記憶と言葉を失っているんだろう?
俺やララァにある贖罪の希望はコイツだが、
じゃあシャアの罪は何によって癒されるんだ?
世界を癒せば? …は!あんなのは俺の口から出た出任せだ!
・・・・・・・・・・・・・・。
・・・そうだ。
俺はシャアの事なんか知ったこっちゃないんだ!
もともとコイツは敵兵だったし、コイツには仲間も沢山殺されたんだ!
直に顔を合わせたのだってほんの数回。
話したのだってほんの数回。
後はMSごしに罵りあって 殺し合って
ほとんどがそんな感じじゃないかよ…
ため息が付きたくなって(大きく息を吸うと痛いからしないのだ)シャアがいる下をのぞき見た
もう身体を起こせなくなって床に転がっているシャアが俺の視線に気づいて重い瞼を開けた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんて顔で見るんだよ。

シャアはうっとりと、幸せそうに俺を見て笑った。
曇りのない微笑みが、俺にやり場のない苛立ちと、奇妙な感情を生まれさせた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
コイツはもうダメだ
次の生まれ変わりに期待しよう…
俺は、段々とやせ細り身体を横たえて死を待つシャアに呆れながら話しかけた。


「なあ、シャア アンタはシャア・アズナブルって言うんだぜ?」
「俺とアンタは憎み合ってた。殺し合いを何度もした。最初は偶然 その後は必然で。」
「なあ、聞こえてるか?いててて、価値観が違くってさ 戦争したんだ」
「最後も憶えてないだろ 俺は憶えてる。アクシズを押しながら大気圏に入ってさ」
「シャア、アンタと罵り合って機体が大気に焼かれてバカになっちまって」
「爆発する前にハッチが少し開いたんだよ。その隙間からコレ。この破片が刺さってね」
「で、気づけばここにいる。もちろん熱気に焼かれるのもキチンと記憶に残ってる」


シャアは相変わらず俺を見て微笑んでいる
…やはり記憶のない相手に何を言っても無駄なのか
それにしても、まったく、ホントに。
なんて顔で俺を見るんだよ
これじゃあ、まるで・・・


「アンタの作戦は失敗に終わったんだ。でも、それでもアンタは沢山殺した」
「…俺も、ララァも沢山殺した。でも、ララァはアンタのために沢山殺しちまったんだ」
「俺の罪ララァの罪はアンタによって許される。なぁ、次はしっかりやってくれよな?」
「聞こえてるか?もう聞こえてないのか。」
「…シャア、アンタのことさ。実はそんなに嫌いじゃ無かった」
「貴方の罪はどうすれば許されるのかな…?」


その時シャアが虚ろな瞳で俺に微笑み出ない声で何かを言った
その言葉は聞き慣れた3文字で。
沢山目にした、その言葉の形は確かに “アムロ” と言っていた。
そしてシャアは事切れた。
間もなくすると死臭を嗅ぎつけた飢えた死者達がシャアを貪り、
甦らせようと地上の井戸まで骨を持って行ってしまった。
複雑な気持ちでそれを見送るとララァがそっと心に触れてきた
俺とララァは心の回路が繋がってしまっている。
これはあの、一年戦争の時からなのだろうか?そんな感じがする。
だが、きっと浄化されれば個々になるんだろう
何故だかは分からない
だけれど、そんな感じがするんだ。

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雄と言えなくもないメス科。
なんかそのへんふらふらしてたらあっというまに年をとってた、熟れすぎの果実。(果実は言い過ぎだろーが!!)
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