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ああ・・過ぎゆく日々の戯れ言よ・・・
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太陽が暑い。
地球に降りたって私が最初に感じたものはそれだった
コロニーには無い日差しに目眩と網膜の痛みのようなものを感じる
シャトルの売店でスクリーングラスを購入し、現地のガイドの案内でホテルに向かう
青い空に高くそびえ立つ入道雲、緑いっぱいの山々に堪らなくなってエレカのウインドウを下げた。気持ちの良い風を胸一杯に吸い込むと、ジンと胸が熱くなったような気がした。
ぴゅるるるると、あれはトンビだ。ぴゅるるるる、とトンビが鳴きながら空を旋回する
空気に、海のものが混じる。それに私は益々胸を高鳴らせた。

UCXXXX年、私は両親の反対を押し切り一部の特権階級しか踏むことの許されぬこの地に降り立つ。身分は自然調査の学生として
コロニーの首相である父もその回りも猛烈に反対したが、私の決意は変わらない。
大学の専攻を変えて、見事地球行きの権利を得ると父も回りも納得してくれ折れてくれた
お付きの者を寄こすのは忘れなかったが。結構な人数を寄こしたが別にこれには不満はない
だが父が残念そうに私を見送ったことが印象深い。父を妹に任せて私は飛び立つ
私の情熱は、誰にも止められなかった。

「ここで止めてくれ」

赤鼻のガイドにそう告げて、止まったエレカを飛び出した。
開けた視界には一面の強いブルー…これが、海。海、海か!何と大きい…
他の者達もその巨大な潮水に圧倒され、息を呑んでその景色を眺めた。
私は興奮して砂浜に入った「あ、キャ…シャア様」彼らが呼ぶが待っててくれと手を挙げる
砂浜は熱く、何かの花が咲いている。水平線というものに感動し、私は嬉しさに駆けていた
少し先に、何かの小屋が見える。みすぼらしいが、木で出来ているとは…何と贅沢な。
そこから出てきた少年に…私は目の前がクラリとする。
海の ザザン ザザン という鼓動が私の全てを覆い尽くす

『アムロ…!』

………何だ、今のは。私は首を二三回振って正気を取り戻そうと試みる
だが、私の薄い金の髪は益々熱にやられ茹だるばかり
そんな肉体とは裏腹に、心が何かに一杯に満たされ愕然と震える
可笑しい話だ。私はただの子供に何に驚き、そして何に歓喜している?
歓喜…そう私は歓喜している。何故?何に??
分からないが子供から視線が外せない
やがて子供から視界から消える。それに私は意味もなく焦躁する

「シャア様…どうしたんですかいったい?」

先祖は船乗りなんです、と地球行きを喜んでいた従者は何かを被せて私をエレカに促した
コレは何だ?と問えば ムギワラボウシ と答える。天然です、凄いでしょうと笑った

「あそこは…?」

自然に問うていた言葉に、いつの間にか来ていたガイドが答える

「あれは宿ですね、酔狂だな~ きっと引退したどこぞの高官が趣味で開いたんでしょう」
「あそこに泊まりたいから調べて欲しい。客もだ…」

ビックリした顔の従者達を余所に、私の心は決まっていた。
勝手に高まる情熱に、私自身も驚きながら。
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女性
自己紹介:
雄と言えなくもないメス科。
なんかそのへんふらふらしてたらあっというまに年をとってた、熟れすぎの果実。(果実は言い過ぎだろーが!!)
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